• 膝が震えるのは生きてる証だ

     
     『1、2、3、4、なにくそ畜生! 5、6、7、8、負けてたまるか!』

    時々、ピュアなハートが煤けていってしまうように感じるのは何故だろう。
    時々、煤けてしまったハートが輝きを取り戻して、ドヤ顔するのは何故だろう。

    あの曲を聴いていると・・・
    ・・・今それが低音の効いた、それなりのスピーカーから流れ出ていても。

    耳の奥に残っている安物のラジカセからのあの音、
    ひとり異国の屋根裏部屋で、空しか見えない天窓を開け放って、
    床に寝転んでカセットテープで聴いていた時のあの音、
    その音がリアルに蘇えってくるのは何故だろう。

    心や体にしっかりと刻まれている音があるのだ。

    その時の自分、その時の空気、その時の悩みや悲しみや喜び、
    喜怒哀楽のすべてが、一瞬にしてこの体で括約する不思議。

    今、生きていることを実感して、
    その瞬間を、今、この見えないノートに記すのだ!

     『俺たちが今、自分が立っているのは、そうだぜ、世界のド真ん中さ!』

     『涙が出そうだ、だけど泣きたくねぇ! ぶっ倒れそうだ、だけど負けたくねぇ!』

    そうだよなぁ!吉野くん!そうだよなぁ!そのとうりだよなぁ!