• 2月6日

    ついにパリを去る日がやって来た・・・この部屋で朝を向かえるのも今日が最後。
    壁に貼った手作りのカレンダーは、早く日本に帰りたくて1日づつ×をつけていこうとしていた。
    でも途中から×をつけることが出来なくなって、もっとこの街にいたいと思い始めたんだ。

    2時頃アトリエに顔を出すが、みんなの顔を見るのも最後かぁと思うとちょっとなぁ・・・
    そんな気持ちでジャン・リュックの作ったというカフェにみんなで歩いて行く。
    なんか遠足みたいでおもしろいけど、こうしてみんなと一緒にいるのも最後かぁ、と思うとやっぱり寂しくなってくる。
    ジャン・リュック・カフェの内部には大きな楕円の鏡貼りのテーブルがあって、天井にインストールされたパリ市内の300のアパートの窓から撮った写真が映りこむ。
    その後、みんなで建築の先生が制作中という住居を観に移動・・・
    でも、先生の解説中に僕はこっそり抜け出して荷物を詰めに部屋に帰ることにする。
    この黙って行っちゃうってのが、椿三十郎的でいいのだ・・・

    あわてて荷造りして、体重乗せてやっと閉まったスーツケース・・・
    部屋の鍵をレセプションのおじさんに渡して、さよならボザール、またいつの日か・・・

    スザンヌとえいこちゃんに見送られるシャルル・ドゴール空港。
    彼女たちにさよなら言って出国口へ・・・

    飛行機は23時25分、滑走路を離れ空へと飛び立つ。
    飛行場が小さくなっていくのが見えたのも束の間、飛行機は雲の中に入ってしまいパリの夜景は雲に隠れて見えない・・・

    もっとたくさん生徒たちと話したかったなぁ・・・