• 7月28日の森

    ギィーギィーと、くちばしの長い鳥が、どこかで鳴いている。
    昼でも薄暗い森の奥深く、枝から枝へと飛びまわっている。

    木々はまっすぐに、空へ向かって伸びようとして、
    枝たちは、横へ横へと光を求める。

    木々は言う 「空へ空へと向かわなければ、横に伸びる枝たちが地面にくっついてしまう!」

    枝たちは言う 「横へ横へと伸びなければ、木々は空へ向かうのを止めてしまう!」

    実際には、けっしてそんな風なんかではなく、とてもいい塩梅に森は存在している。

    自然の中の森は、人知れず気持ちの良い世界を作りあげているのだろう。