• 早春賦 (1913年・吉丸一昌作)

    春は名のみの風の寒さや   
    谷の鶯歌は思へど      
    時にあらずと声も立てず  
    時にあらずと声も立てず  

    氷解け去り葦は角ぐむ   
    さては時ぞと思ふあやにく 
    今日もきのふも雪の空   
    今日もきのふも雪の空   

    春と聞かねば知らでありしを
    聞けば急かるる胸の思を  
    いかにせよとのこの頃か  
    いかにせよとのこの頃か