今日も起きたら朝6時だった。時計台の鐘の音が聞こえる。
教会の鐘と違い、オルゴールのように優しい音だ。
部屋は屋根裏部屋で、木組みの柱が古くていい感じ。
聞くと中世に立てられた家だそうで、なるほど納得。
階段の手すりや、曲がり具合もいい感じ。
ミヒャエルのミュンヘンの新ギャラリーの改造計画を朝食を食べつつ練る。
11時には2人で駅に行って、ニュールンベルクに行かなきゃ。
お昼過ぎ、ニュールンベルグ着。
マンフレッド、エリザベスを交えて、ドイツ本の打ち合わせ兼お昼ご飯。
昼食後、インスティテュートで図版用のスライドを選ぶ。
約 250枚を選び、絶対に落とせない作品をさらに選び、それにこれから出来てくる新作も加える。
ページ数は200ページを越える予定で、出版はドイツ3月、日本、アメリカが4月。
スノードーム付きの限定本は 1000冊にすることになる。
テキストはドイツ人シュテファン・トレジャー、アメリカ人・・・なんとかさん、日本人は共同戦士ばななさんとする。言語は、日独英のトリリンガル!
ヨーロッパで編集される最初の画集になる。あ~緊張してきた!
打ち合わせ後、フェリックス・G・テレスの作品があるノイエス・ミュゼウムのカフェでミヒャエルと一服。
5時37分の汽車に飛び乗ってケルンへ戻る。
車窓から雨上がりの空に大きな虹が見える。
Over the rainbow 。
虹の彼方へ汽車は進む。
ケルンまで6時間。
空っぽの部屋が想像できない。
いつもの散らかった愛すべき部屋が目に浮かんでくる。
でも確かに、全ては17個のダンボール箱に既に詰まっている。
今のこんな気持ちのままじゃ、日本に帰ってもダメになっちゃうだろう。
忙しく動き回ることではなく!人の非難を気にすることなく!
全ての人から好かれようなんてスケベ根性を捨て去り!
それでも自分の作品に共感してくれる人がいることを信じて、自分の気持ちを信じて、進めば良いじゃないか?!
STAY TRUE TO ME !
倫理は時として偽善を生むだろうさ。
すでに何かに背いてしまった自分じゃないか。
倫理ではなく、自らが由とする信条だけは確実に持ちつづけて、生きていこうじゃないか。
自身の正当化ではなく、人として非難されようとも、自分の嫌な部分を忘れるのではなくはねのけながら、進んでいきたい。
人はいつだって成長していけるもんなんだ。
僕は理想化されたくなんかないし、実際普通に欲も持ち生きている。
人が描く美しく誤解された自分ではなく、自分の理想を(まだはっきりとは描けないが)忘れ去ることなく、いつも繰り返し思い出し、生きたい。それを貫きたい。
喜びも悲しみも噛み締めながら、望みどうりに生き、死んでいきたい。