• LA日記 6月29日~7月4日

    29日(展示作業初日)

    LACMA。(ロサンゼルス・カウンティ・ミュージアム)

    9時 10人ほどのチームで野外ミーティング。
    ひとつの部屋に5人以上いてはいけない。(はい~)
    マスクは野外でも常に着用。(え~!)
    手の消毒と手袋の着用。(OK!)
    顔を合わせて作業する時はシールドも着用。(ううう・・・)
    一日の作業時間は休憩も含めて6時間を超えてはならない。(アメリカ的!)

    3月に来た時に3分の1は終わらしたから、残り3分の2だと思うと楽な気がする・・・けど、やっぱ、そう簡単にはいかない雰囲気。

    1室 〇ほぼ展示完了(ドローイング“ROOTS”とパレット未展示)
    2室 ◎完了
    3室 ◎完了
    4室 〇ほぼ完了(ドローイングテーブル未展示)
    5室 〇ほぼ完了(ドローング小屋内の床へのドローイング設置未展示)
    通路 〇ほぼ完了(7点のセラミック関係ドローイング未展示)
    6室 ◎完了
    7室 △ドローイング2012~2019年未展示(絵2枚はOK)
    8室 ◎セラミック彫刻 ×絵未展示
    9室 △30% 絵4点完了

    3月の時の展示作業のように、一度に何人もの手を借りてドローイングをスピーディに展示していくような作業はもう出来ない。
    7室の壁2面。作業人員4名。2人一組で背中合わせにドローイングを展示していく。
    自分は7室の作業の指示をメインに、通路のセラミックをひとりで展示完了。
    5室の壁にかける4点も完了。
    うまくいけばあと2日で展示は終わることができるはず、という希望的観測。

    昼に食べた鮭弁が・・・焼き鮭が3切れ入ってて、さすがアメリカンだった・・・つか、エキストラ『ガリ』!

    作業終了後はまっすぐ家(もう家と呼んでいる・笑)に戻って、何度目かの『ミス・アメリカーナ』(テイラー・スウィフトのドキュメンタリー)を観る。

    そういえば、6月最後の『真夜中のロック部』ラジオ配信の1曲目はテイラー・スウィフトのToday was a fairytaleを流したんだった。
    最初に知った彼女の曲だったのだけど、次はOnly the youngをかけよう。

    6月30日(展示作業2日目)

    朝のミーティングは無し。すぐに展示作業を始める。

    一夜明けて、冷静に展示状況を確認出来ていることに気付く。
    7室の2019年のドローイングで大きいものを2点、通路のセラミック部屋に展示。
    8室と9室の絵の展示構成を変える。

    すべての部屋の展示構成のチェック、そして最終展示構成を決めた。

    明日で展示は完了するだろう。

    そして、E.T.のエリオットの家を観に行った帰りになんとなく見つけて登った丘から撮った風景が・・・今、E.T.を観ていて気付いたのだけど、映画の中で撮られた風景と全く同じで鳥肌!

    Twitterで、エリオットとマイケルがE.T.を乗せた救急車で通る公園の芋虫型の遊具の画像をあげてみたけど、E.T.に出てきたとこだとわかったフォロワーが3割もいなくてびっくりした。まぁ、82年の映画だからしかたないか・・・。

    今、E.T.観ていて思うんだけれど、自分はE.T.の気持ちで映画に参加しているけれど、リプを見てると第三者やエリオット側の気持ちで観ている人が多いことに気付く。

    ドイツに渡って、言葉もわからずに暮らし始めた自分は、エリオットたちと出会ったばかりのE.T.のようだった。ドイツの子供たちはエリオットのように自分に接してくれたなぁ・・・と。

    7月1日(展示作業3日目)

    展示チームとなんか絆が出来つつあるのを感じる。
    自分が一生懸命になればなるほど、その気持ちが伝わるんだと思う。
    最初は展示アシスタントとの間にチーム感が出来てきて、それが仕事でやってます的な現場監督的なポジションの人々に広がっていく。

    展示のスケジュール管理のチーフ、エリザベスが、猫好き話以降だんだんと仲間になっていくのを感じる。
    そして、6月に描いた最新作が届き、最後の部屋にかけた。

    コロナの関係で、基本的に朝9時から午後3時までしか作業できないのだけれども、みんな3時過ぎても終了と言われるまで作業してくれる。

    というか、いつの間にか展示がすべて完了していた・・・
    後はライティングとタイトルやテキストの貼り付けだけ。

    明日は館長とのトークのライブ配信。

    展示作業は、ホント、完了。
    早いよな~、いつも。

    3月に来て3日間、今回3日間、で700点以上のドローイングの位置決め&展示したのは今までの最短記録かもしれない。
    つか、なにも威張れることではないんだけど、ん~、やった~!

    7月2日

    マイケル(館長)とのトークをライブ配信。
    音楽の話ばっかりで、後はプロテスト精神や反原子力、反戦争が自分に生まれる源流の話をする。

    ローレル・キャニオンの話や60年代の反ベトナム戦争の学生運動、それ以前の公民権運動の話。

    第9室で最新作の絵の前で話してたんだけど、そこから5室に移動してドローイング小屋でまたトーク。
    そこでも美術の話なんて少しだけで、やっぱり音楽中心(笑。

    音楽と言えば、ゲフィンも視ているという・・・つか、誰が視てるかわかんないけど、いつものごとく口が滑ってしまって思ってることを言いすぎた。
    反権力、反トランプ、テイラー・スウィフトの政治的スタンスに拍手!的な発言・・・自分はやっぱりバカかもしれない。

    トーク終了後はマイケルの家に行って、中庭で乾杯。
    初音ミク好きの娘からドローイングをもらう。
    ドローイングには「FUCK LIFE」という言葉が!
    ・・・そういうの大好き!

    7月3日

    朝、2度寝。

    いつものように7時には目が覚めたけれど、展示も終わったし今日は午後1時のミカさんとのトークに間に合えばいいので、2度寝。

    明日ここを去るのかと思うとこの家が、というか滞在しているこの町(Pacific Parisades)が愛おしく感じる。11時頃に2度寝を終えて、いつものようにジューサーでジュースを作る。バナナとオレンジのジュース。その間に沸かしたお湯でコーヒーを淹れる。朝はいつもそれだけの毎日だった。つか、日本にいても朝はそれだけだな・・・。

    昼までにLACMAに着いて、今日のランチはこの個展のキュレータのミカさんと、個展が巡回する上海の美術館の人と木陰を探して芝生の上で食べる。

    パンデミックの影響でグッゲンハイム・ビルバオとクンストハレ・ロッテルダムの巡回は中止になってしまった。LACMAは会期を7月から1年間と設定し直して、予約制の観覧になっても人々に観てもらう機会を多くした。巡回は今のところ上海だけが決定しているけれど、最低あと1館は巡回させるみたいだけど、自分はもうどうでもいい。

    1時過ぎに3室でミカさんとインタヴュー形式でトーク。うまくいったのかどうか自分にはわからないけれど、アーカイブされてウェブで観られるようになるはず。

    夕方、今回初めて自分がいつもやってるLAのギャラリーBlum&Poeを訪ねる。ノナとアーチーも呼んでコリアンBBQ、その他もろもろ韓国料理をデリバリーしてもらって晩御飯。

    ノナたちに家まで送ってもらって、余った食料を分配。食べ物は少ないけど手つかずのワインやビールがけっこうある。栓を開けてたった1回しかお湯割りを作らなかった焼酎も残ってる(もったいな~い)。

    みんなが帰った後、外がまだ明るかったのでいつもの散歩コースを歩く。崖の上は、昨日からコロナの感染者数増加の影響で道路沿いが駐停車禁止になってしまったのだけど、何台か停まっていてベンチに座ったり、いつもよりも人が多いくらいに感じる。

    ここに滞在してから毎日散歩した道。ディティールまで覚えてしまった気がする目に映るものの数々。

    7月4日

    朝、はまちゃんが迎えに来てくれて空港へ。

    さよなら!Pacific Parisades!美しい町!